行政書士の資格に基づく業務

「行政書士」が法律関係の資格であることは概ね知られていますが、具体的な業務範囲は資格者自身にも分かり難いところがあります。
 当事務所で取り扱う問題が、それぞれどのような知識(資格)に基づく業務であるかを意識して頂く必要はあまりないのですが、(トラブル防止等のために)法律で無資格者を廃除している業務を知ることで、逆に、その資格者にどのような知識があると認められているのかの参考になります。

 

 行政書士法には、以下の3種類の書類作成と、それらに関する相談や提出代理等が業務として定められています。

官公署に提出する書類

 行政機関(国、都道府県、市区町村、その他公的な機関)に提出する許認可申請等の書類を作成すること、その提出手続きを代理することが可能です。
 司法書士法(法務局、裁判所)、社会保険労務士法(年金事務所、労働基準監督署)、税理士法(税務署)等、別の法律で規制されているものは除かれますが、対象となる手続きは1万種類を超えると言われています。
 行政書士という名前から一番イメージしやすい内容ですが、あまりにも多分野にわたるため、多くの行政書士は、一部の分野の許認可等手続きに専門特化しています。当事務所においても、経験のない分野での難しい許認可等手続きについてはお断りする場合があります。

権利義務に関する書類

 「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類とされています。
 権利の発生等を目的とする意思表示が記載された文書というと、非常に多くの書類が該当することになります。ただし、独占業務として無資格者による作成が禁止されるもの、法律的な知識を有する行政書士に作成を依頼したり相談したりする必要性の高いものとしては、以下のような書類が挙げられます。
 契約書、覚書、念書、示談書、遺言書、遺産分割協議書、離婚協議書、内容証明郵便、定款、社内規程

事実証明に関する書類

 「事実証明に関する書類」とは、社会生活(の重要な利害)に交渉(「関係」の意。)を有する事項を証明するにたる文書とされており、以下のような書類が挙げられます。
 図面(位置図、案内図、現況測量図等)、議事録、会計帳簿、申述書、特別受益(相続分不存在)証明書 等
 刑法の「私文書偽造罪」の条文にも、「権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造」と記載されていますので、偽造・変造されると問題が生じるような大切な書類が該当すると考えられます。また、その私文書から公文書(登記簿・公正証書等)が作成される場合には、偽造・変造だけでなく、内容の真実性も問題となります。